受容体とイオンチャネル(Receptors and Ion channels)

1、受容体 

Adrenergic 受容体

カップルしている
G protein

部位および作用

アゴニスト

アドレナリン受容体作動薬(Adrenergic agonists)

アンタゴニスト

アドレナリン受容体遮断薬(Adrenergic antagonists)

α1
(α1A,α1B,α1D)

Gq,Gi/o

Gi, Gq

後膜、皮膚・粘膜・腹部内臓血管および虹彩散大筋収縮(散瞳)
cGMP↑, PI代謝↑。
α1Aは前立腺部尿道に高分布。
α1Bは血管に多く分布
α1Dは膀胱平滑筋に分布

Epinephrine≧NE>>Isoproterenol 

α1特異的アゴニスト
フェニレフリン(phenylephrine)臨床的にはほとんど使用されない

α1特異的アンタゴニスト

降圧薬
プラゾシン(prazosin)

排尿障害治療薬
タムスロシン(tamsulosin)
ナフトピジル(naftopidil)
シロドシン(silodosin)

α2
(α2A,α2B,α2C)

  

Gi1,2,or3

前膜(auto-receptor )、Nepi遊離抑制
後膜、皮膚・粘膜・血管収縮、GiとのcoupleでcAMP↓、PI代謝↑、脂肪分 解抑制、インスリン分泌↓、 血小板凝集↑

Epinephrine≧NE>>Isoproterenol

α2特異的アゴニスト
クロニジン(clonidine)臨床的にはほとんど使用されない

α2特異的アゴニスト
ヨヒンビン(yohimbine)臨床的にはほとんど使用されない

β1

Gs

Gs

心収縮力と心拍数↑(陽性変力、陽性変時作用)、Gsとのcoupleで cAMP↑
脂肪分解↑、
レニン分泌↑、

Isoproterenol>Epinephrine=NE

ドブタミン(dobutamine)心不全に用いる

アテノロール(atenolol)
メトプロロール(metoprolol)
エスモロール(esmolol)
アセブトロール(acebutolol)

β2

Gs

気管支筋、血管、子宮弛緩拡張、Gsとのcoupleで cAMP↑、肝、骨格筋でのグリコーゲン分解↑、

Isoproterenol>Epinephrine≫NE

β2特異的アゴニスト
気管支喘息治療薬
テルブタリン(terbutaline)
サルブタモール(salbutamol)プロカテロール(procaterol)
フェノテロール(fenoterol)
サルメテロール(salmeterol)
フォルモテロール(formoterol)

ブトキサミン(butoxamine)臨床的にはほとんど使用されない

β3

Gs

褐色脂肪組織でlipolysisとthermogenesis

β3特異的アゴニスト

過活動膀胱治療薬
ミラベグロン(mirabegron)

ビベグロン(bibeguron)

β3特異的アンタゴニスト

SR59230
SR58894
どちらも実験的なもので臨床には用いられない

NE; Norepinephrine (Noradrenaline)


Dopamine 受容体

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニスト

D1

中枢に豊富に存在する。網膜にも存在する。活性化はGタンパク質のGαsと共役し、刺激されるとアデニル酸シクラーゼが活性化され細胞内のcAMP濃度が上昇する。プロテインキナーゼA (PKA) の活性によってDARPP32がリン酸化される。腎血管や腸間膜動脈にも存在し、血管拡張をもたらす。
遺伝子:intronなし(D5が類似)

強心薬(D1特異的ではない)
ドーパミン(dopamine)
ドペキサミン(dopexamine)
イボパミン(Ibopamine)

統合失調症治療薬(D1特異的ではない)

フルペンチキソール(Flupentixol
チオチキセン(tiotixene)
クロルプロマジン(chlorpromazine)などのフェノチアジン系薬物

D2

筋緊張異常や統合失調症に関連。ドーパミン作動性神経終末部に存在し、ドーパミンの産生・放出制御を行う。下垂体前葉のプロラクチン産生の細胞のD2受容体の刺激は、プロラクチン分泌を抑制する。刺激されるとアデニル酸シクラーゼが抑制され細胞内のcAMP濃度が低下する。
遺伝子:intronあり(D3、D4が類似)

パーキンソン病治療薬
ブロモクリプチン(bromocriptine)
ペルゴリド(pergolide)
カベルゴリン(cabergoline)
プラミペキソール(pramipexole)
ロピニロール(ropinirole)

統合失調症治療薬(D2特異的ではない)

フルペンチキソール(Flupentixol
チオチキセン(tiotixene)
オランザピン(olanzapine)などの第2世代抗精神病薬
クロルプロマジン(chlorpromazine)などのフェノチアジン系薬物
ハロペリドール(haloperidol)などのブチロフェノン系薬物

比較的D2特異的なもの
スルピリド(Sulpiride)
スピペロン(spiperone)

消化器疾患治療薬
ドンペリドン(domperidone)
メトクロプラミド(metoclopramide)

D3

大脳辺縁系に多い。アデニル酸シクラーゼとは無関係、

臨床的には用いられない
ペルゴリド(pergolide)
キンピロール(quinpirole)
TL99 

臨床的には用いられない
(+)-AJ 76 
UH232

D4

大脳皮質前頭野、扁桃核、cAMP↓


統合失調症治療薬(D4特異的ではない)
クロザピン(clozapine)

D5

辺縁系、cAMP↑





Muscarine 受容体

部位および作用

アゴニスト

副交感神経系に作用する薬物(Cholinergic Drugs)

アンタゴニスト

副交感神経系に作用する薬物(Cholinergic Drugs)

M1

K channel close
脱分極、Gq/11
海馬、大脳 、交感神経
分泌腺刺激(胃液分泌↑)

アセチルコリン(acetylcholine)
ムスカリン(muscarine)
オキソトレモリン(oxotremorine)

QNB
アトロピン(atropine)
ピレンゼピン(pirenzepine)に高親和性(特異的)

M2

心室、小脳、pons、回腸
Gi/o、PI代謝↑
K 透過性↑、過分極
腸管、膀胱の収縮

アセチルコリン(acetylcholine)
ムスカリン(muscarine)
ベタネコール(bethanechol)

メトクラミン(methoctramine)特異的アンタゴニストだが臨床的には使われない。
QNB
アトロピン(atropine)
ピレンゼピン(pirenzepine)に低親和性

M3

平滑筋収縮、外分泌腺、Gq/11

 

ヘキサヒドロシラジフェニドール(hexahydrosiladifenidol)臨床的には使われない

M4

皮質、剪除歌い、海馬、Gi/o


ヒンバシン(himbacine)臨床的には使われない

M5

脳血管の拡張作用、
線条体でのDA遊離作用、Gq/11


4-DAMP 臨床的には使われない



GABA 受容体

鎮静・抗不安薬 睡眠薬(sedatives, Anxiolytics, and Hypnotics)

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニスト

GABA-A

Cl channelと関係 postsynaptic

α2β2(α=53K, β=57K)
ベンゾジアゼピン系薬物(benzodiazepine)が結合
γ、δもある

ムシモル(muscimol)と高親和性、臨床的には使われない。

ビククリン(bicuculline)に高親和性、特異的アンタゴニストである。

ピクロトキシン(picrotoxin)痙攣をおこす。臨床的には使われない。

GABA-B

神経終末(nerve terminal)に存在するautoreceptor
G蛋白と関係
Ca channelとlink

痙攣抑制に用いられるバクロフェン(baclofen)に高親和性

ビククリン(bicuculline)にには低親和性、阻害されない。

GABA-C

Cl channelと関係

バクロフェン(baclofen)に低親和性、結合しない。

ピクロトキシン(picrotoxin)痙攣をおこす。臨床的には使われない。
ビククリン(bicuculline)にには低親和性、阻害されない。

       

Glycine 受容体

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニスト

α1型(ホモ)
α3β2型(ヘテロ) 

脊髄介在神経
抑制性、Cl-

タウリン(taurine) (?)
β-アラニン(β-alanine) (?)

ストリキニーネ(strychnine)痙攣を引き起こす(実験的)



オピオイド(Opioid) 受容体

麻薬性鎮痛薬(Nalcotic Analgesics)

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニスト

mu (μ)

脳、脊髄、モルモット腸
鎮痛、多幸症、伝達物質遊離 の調節

モルヒネ(morphine)
DAMGO 臨床には用いられない

ナロキソン(naloxone)

delta (δ)

脳、脊髄、マウス輸精管    NG108-15細胞

D-Ala-D-Leu-エンケファリン(enkephalin)
Leu-エンケファリン(enkephalin)
ダイノルフィン(dynorphin)

ナロキソン(naloxone)
ナルトリンドール(naltrindole)

kappa (κ)

脳、脊髄 、鎮痛、鎮静

ペンタゾシン(pentazocine)
U69593, U50488

ナロキソン(naloxone)
nor-Binaltorphimine (nor-BNI)

ノシセプチン(nociceptin)(N)

脊髄、視床、辺縁系
抗不安作用
痛覚過敏

Nociceptin/Orphanin FQ (ノシセプチン)/(オルファニンFQ)
R064-6198

J-113397



グルタミン酸(Glutamate)受容体
構造(サブユニット)

受容体
サブタイプ

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニスト

NMDA型

NMDA

 

大脳皮質 long term potentiation
てんかん発作(epleptic seizure)
神経変性(neuronal degeneration)
興奮性、Ca++
細胞外Mg++により抑制

NMDA (N-methyl-
D-2-amino-5-D-aspartate

MK-801(非拮抗),
D-AP5(phosphono-valerate),
DPP
アルツハイマー型認知症治療薬:メマンチン(memantine、NMDA受容体の部分アンタゴニスト)

Non-NMDA型

AMPA

 

小脳平行線維(parallel fiber)
cortex->cuneate neurons
cortex→dopaminergic caudate neurons
海馬
興奮性、Ca++

AMPA(α-amino-3-hydroxy-5-methylisoxazole-4-propionate,
キスカル酸(quisqualate)
イボテン酸(ibotenate)

CNQX,
γ-D-glutamyl-taurine
γ-D-glutamyl-aminothyl-sulfonate

カイニン酸(kainate)

 

辺縁系

カイニン酸(kainate)
ドウモイ酸(domoic acid)
(グルタミン酸やアスパラギン酸
はリガンドとはならない)

CNQX

代謝(Metabotropic)型

mGlu

 

抑制性(シナプス前(presynaptic))
mGluα1は、Ca++により
活性化される。

ACPD,
キスカル酸(quisqualate)

MCPG



ヒスタミン(histamine 受容体)

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニスト

H1

平滑筋収縮  血圧低下
Gq-coupled、 IP3↑、DAG↑

ヒスタミン(histamine)

第一世代抗ヒスタミン薬:抗アセチルコリン作用があるので、眠気が強く、口渇、便秘が現れることがある。緑内障や前立腺肥大に禁忌。
ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)
ピリラミン(pyrilamine)
クロルフェニラミン(chlorpheniramine)

第二世代抗ヒスタミン薬:血液脳関門(BBB)を越えにくく眠気の少ないもの、抗アセチルコリン作用の少ないものが多い。アレルギー性鼻炎などに用いる。
エピナスチン(epinastine)
ロラタジン(loratadine)
フェキソフェナジン(fexofenadine)
セチリジン(cetirizine)
レボセチリジン(levocetirizine)

H2

胃酸分泌↑
心拍数↑
子宮収縮
Gs-coupled, cAMP↑

ヒスタミン(histamine)

ブリマミド(burimamide)
メチアミド(metiamide)
シメチジン(cimetidine)
ラニチジン(ranitidine)
ファモチジン(famotidine)

H3

presynapse
Gi-coupled
神経伝達物質の遊離抑制

α-methylhistamine

チオペラミド(thioperamide)

H4

末梢白血球、胸腺
Gi-coupled

ジマプリット(dimaprit)

チオペラミド(thioperamide)



セロトニン(Serotonin)受容体

サブタイプ

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニス

5-HT1

5-HT1A

縫線核、海馬
自己受容体
cAMP↓、K+ channel↓

8-OH-DPAT
5-CT
イプサピロン(ipsapirone)

シアノピンドロール(cyanopindolol)
WAY100635

5-HT1B

黒質、基底核
5-HTの遊離抑制
cAMP↓

CP93129

シアノピンドロール(cyanopindolol)

5-HT1Da,b


5-HTの遊離抑制
cAMP↓

片頭痛治療薬:
スマトリプタン(sumatriptan)
ゾルミトリプタン(zolmitriptan)
エレトリプタン(eletriptan)
リザトリプタン(rizatriptan)

メチオテピン(methiothepin)
ミアンセリン(mianserin)

5-HT1E

皮質、putamen、
cAMP↓

 

 

5-HT1F

皮質、海馬、cAMP↓

 

 

5-HT2

5-HT2A

血小板、平滑筋、皮質
IP3↓

α-methyl-5-HT

リタンセリン(ritanserin)
ケタンセリン(ketanserin)

5-HT2B

胃底部、IP3↓

α-methyl-5-HT

SB204741

5-HT2C

黒質、海馬、脈絡叢
IP3↓

α-methyl-5-HT

メテルゴリン(metergoline)
メスレルギン(mesulergine)

5-HT3

 

area postrema,
sensory and enteric nerves
Na+/K+ channel (脱
分極)

2-methyl-5-HT
m-chlorophenyl-biguanide

抗癌藥による悪心・嘔吐の抑制:

トロピセトロン(tropisetron)
オンダンセトロン(ondansetron)
グラニセトロン(granisetron)
ラモセトロン(ramosetron)

5-HT4

 

脳、腸神経叢、平滑筋、
呼吸のリズム調節
cAMP↑

シサプリド(cisapride)QT延長により市場から撤退。
5-methoxytryp-tamine
BIMU8

SB204070
GR113808

5-HT5A,B

 



 

  

5-HT6,7

 

脳、cAMP↑

  

クロザピン(clozapine)
(5-HT7)



ニコチン(Nicotinic)受容体

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニスト

NM (筋肉性)
構造(サブユニット)

神経筋 Na channel
α2βγδ

アセチルコリン(acetylcholine、Ach)
ニコチン(nicotine)
カルバミルコリン(carbamylcholine)

α-ブンガロトキシン(α-bungarotoxin、神経筋ではblock、自律神経節 では結合するが伝達をblockしない)

NN (神経性)

αとβの5サブユニットからなる

  

  



アンギオテンシンII(Angiotensin II)受容体

部位及び作用

アゴニスト

アンタゴニスト

AT1

平滑筋収縮、副腎皮質、aldosterone分泌促進、肝臓、腎メサンギウム
Gq->PLC↑、Gi->cAMP↓

アンギオテンシンII

高血圧治療薬
ロサルタン(losartan)
バルサルタン(valsartan)
オルメサルタン(olmesartan)
カンデサルタン(candesartan)
テルミサルタン(telmisartan)
イルベサルタン(irbesartan)
アジルサルタン(azilsartan)

AT2

細胞増殖抑制作用
Gi->PP2A↑->Ca channel
の抑制、胎生期に発現

アンギオテンシンII
CGP42112

 



エンドセリン(Endothelin)受容体

部位及び作用

アゴニスト

アンタゴニスト

ETA

脳、肺臓、心臓、腎、消化管、
血管平滑筋の収縮、Gq->PLC↑

endothelin-1>
ET-2>ET-3

肺動脈性肺高血圧症治療薬:
アンブリセンタン(ambrisentan)
ボセンタン(bosentan)
マシテンタン(Macitentan)

ETB

脳、肺、心、胃、
血管内皮からEDRFの放出
Gq->PLC↑

ET-1, 2, 3

ボセンタン(bosentan)



エイコサノイド(Eicosanoid)受容体

サブタイプ

部位および作用

アゴニスト

アンタゴニスト

プロスタノイド(Prostanoid)はプロスタグランジン、トロンボキサン、プロスタサイクリンから成るエイコサノイドのサブクラス

DP

 

cAMP↑、血小板凝集抑制、睡眠

プロスタグランジンD2(PGD2)

 

EP

EP1

Ca↑、腎集合管

プロスタグランジンE2(PGE2)

オミデネパグ(omidenepag)緑内障治療薬

SC-19220, AH6809

EP2

cAMP↑、気管支拡張、血管拡張

 

EP3

cAMP↓、PI↑、平滑筋収縮、発熱、
末梢での疼痛反応

 

EP4

cAMP↑、骨吸収反応

 

FP

 

PI↑、平滑筋収縮

プロスタグランジンF2α(PGF2α)
緑内障治療薬:
タフルプロスト (tafluprost)
ラタノプロスト(Latanoprost)

 

IP

 

cAMP↑、血管拡張、血小板凝集抑制

プロスタグサイクリン(PGI2)

 

TP

 

PI↑、平滑筋収縮、血小板凝集

トロンボキサンA2(TXA2)

 

LTBLT1cAMP↓、PI↑、白血球遊走ロイコトリエンB4(LTB4)

 
CystLT1Ca↑、気管支筋収縮、血管透過性亢進ロイコトリエンC4(LTC4)
ロイコトリエンD4(LTD4)
喘息治療薬:
モンテルカスト(montelukast)
ザフィルルカスト(zafirlukast)
プランルカストpranlukast)



ATPおよびアデノシン(Adenosine)受容体

親和性

サブタイプ

性質など

アゴニスト

アンタゴニスト

P1

アデノシン(adenosine)
AMP

A1

Gi/o、ACの阻害

2-chloro-cyclo-pentyladenosine

DPDCPX,
8-cyclopentyl-theophylline

A2a

Gs、ACの活性化

CGS-21680

Parkinson病治療薬:
イストラデフィリン(istradefylline)
過興奮したGABA神経のA2a受容体を阻害することにより wearing-off現象を改善する。

A2b

Gs、ACの活性化

NECA

 

A3


APNEA

 

P2
構造

ATP
ADP

P2X(1~7)

イオンチャネル内蔵

2-MeSATP

慢性咳嗽治療薬(未承認)
gefapixant(AF-219、P2X3受容体阻害)

P2Y(1~7)

G蛋白共役、Gq

UTP, 2-MeSATP

 

P2Y12血小板凝集 血小板凝集阻害薬:
クロピドグレル(clopidogrel)
チカグレロル(ticagrelor)



ペプチド

受容体サブタイプ

性質

アゴニスト

アンタゴニスト

ブラジキニン(Bradykinin)

B1

Gq/11
発痛、血管透過性亢進

d[Arg9]bradykinin
Lys-bradykinin
Met-Lys-bradykinin

[Leu8-dArg9]bradykinin

B2

Gq/11
広く分布

bradykinin>
d[Arg9]bradykinin

Icatibant, WIN64338
FR173657

バゾプレッシン(Vasopressin)

V1A



V1A

Gq/11
血管平滑筋、心筋

Gq/11,
下垂体前葉  

[Phe2-Ile3
-Orn8]vasotocin 

V1A: SR49059

V2

Gs
集合管
水再吸収  

d[dArg8]VP

トルバプタン(tolvaptan)利尿薬遠位尿細管のみで、あたかも水チャネル拮抗薬のように水の再吸収を特異的に阻害。
d(CH2)5[dIle2Ile4]AVP

オキシトシン(Oxytocin)

 

Gq/11
子宮および乳腺の平滑筋収縮

[Thr4, Gly7]OT

d(CH2)5[Tyr(Me)2, Thr4,
Orn8]OT1-8

オレキシン(Orexin)OX1OX1:青斑核
OX2:結節乳頭核
orexin-A (OX1>>OX2)
orexin-B (OX1=OX2)
睡眠薬:スボレキサント(suvorexant
 orexin receptors の阻害

OX2


タキキニン類(Tachykinins)

NK1

Gq/11
サブスタンスP(SP)>ニューロキニンA(NKA)>ニューロキニンB (NKB)

Substance P methylester

CP99994
アプレピタント(aprepitant、抗癌剤による悪心・嘔吐の抑制) 

NK2

Gq/11
NKA>NKB>SP

β-[Ala8]NKA4-10

GR94800
GR159897

NK3

Gq/11
NKB>NKA>SP

GR138676

SR142802
SB223412

コレシストキニンCCK)

CCK1

Gq/11, G
 

CCK8>>gastrin=CCK4
A71623

デバゼピド(devazepide)
ロルグルミド(lorglumide)

CCK2

Gq/11  

CCK8>=gastrin=CCK4

CI988, L365260, YM022

ニューロペプチドY (neuropeputide Y、NPY)

Y1
Y2
Y4-Y6

Gi/o
Gi/o
Gi/o 

[Pro34]NPY
NPY13-16

GR231118, SR120107A

Y2

Gi/o 

NPY13-36, NPY18-36

 

ニューロテンシン(Neurotensin)

NTS1

Gq/11

 

SR48692, SR142948A

NTS2

Gq/11

 

SR142948A

ソマトスタチン(Somatostatin)

SST1

Gi/o 

sst des-Ala

 

SST2

Gi/o

オクトレオチド(octreotide)、 seglitide
BIM23027

Cyanamid154806

SST3

Gi/o 

BIM23052, NNC269100

 

GLP-1(glucagon-
like peptide-1)
GIP(gastric
inhibitory
polypeptide)
GLP-1R
GIPR
GLP-2R
Gs, insulin分泌促進、胃排泄抑制糖尿病治療薬
リラグルチド(liraglutide)
エキセナチド(exenatide)
 


2、電位依存性イオンチャネル

1) Na+ channel 

Na チャネル
構造(サブユニット)

閾値

不活性化

主な役割

主な局在場所

拮抗薬

Na

very
fast

活動電位の伝播

細胞体、軸策(小丘、ランヴィエ節)、
心筋細胞

フェニトイン(phenytoin)
カルバマゼピン(carbamazepine)
局所麻酔薬
キニジン(quinidine)
フグ毒(tetrodotoxin)

NaL(持続型)

no

発火のトリガー、
周期の調節

細胞体、軸策

 


2) Ca++ channel

Ca チャネル
構造(サブユニット)

閾値

不活性化

主な役割

主な局在場所

拮抗薬

CaL(L型)

slow

Ca2+流入(セカンドメッセンジャー)、Ca2+電位

樹状突起、細胞体、
神経終末

Ca 拮抗薬
高血圧治療薬を参照

CaN(N型)

fast

終末での伝達物質放出 

神経終末

ω-conotoxin GVIA

CaP(P型)

slow

樹状突起でのシナプス電位
神経伝達物質の放出

樹状突起

ω-agatoxin IVA

 

CaQ(Q型)slow~
medium
神経伝達物質の放出小脳顆粒細胞ω-agatoxin IVA
(P型よりも感受性が低い)

CaT(T型)

fast

発火のトリガー、周期の調節

細胞体

octanol

CaR(R型)

fast

神経細胞の反復発火

ω-agatoxin IIIA


3) K+ channel

Kチャネル
構造(サブユニット)

閾値

不活性化

主な役割

主な局在場所

拮抗薬

K (遅延整流型)

(高)

slow

活動電位の再分極、振動周期の調節

細胞体、樹状突起(軸策)

tetraethylammonium (TEA)

KA (A電流)

(低)

fast

振動周期の調節、活動電位の再分極

細胞体、樹状突起、終末、小丘(軸策)

4-AP

KIR(内向き整流)

 

no

振動周期の調節、電位の維持

細胞体、軸策

Ba++

KCa(s)(Ca2+依存性SK)

  

no

後過分極電位、振動周期の調節

 

TEA,
カリブドトキシン(charybdotoxin)サソリ毒に含まれるポリペプチド。
アパミンapamin) ハチ毒に含まれるポリペプチド。

Kca(B) (Ca2+ 依存性BK)

 

no

活動電位の再分極

 

 

KM(ムスカリン抑制)

 

no

振動周期の調節

  

 

KATP(ATP依存性)

(分子構造)

 

 

細胞質ATPで閉口

膵臓β細胞、筋

糖尿病治療薬
トルブタミド(tolbutamide)
アセトヘキサミド(acetohexamide)
グリベンクラミド(glibenclamide)
グリクラジド(gliclazide)
グリメピリド(glimepiride)

開口薬:血管拡張
クロマカリム(cromakalim)
ニコランジル(nicorandil)


4) Clchannel

Clチャネル

特徴と主な役割

主な局在場所

拮抗薬

CLCA

Ca依存性Cl-輸送

  

ニフルム酸(niflumic acid)

CLC (ClC)

(分子構造)

電位依存性Cl-輸送ClC-1:骨格筋、
     筋緊張症
ClC-2:脳、肺
ClC-3:心臓
ClC-4:広い分布
ClC-5:腎臓、
     Dent病
ClC-6:広い分布
ClC-7:広い分布
ClC-Ka、-Kb:腎臓

anthracene-9-carboxylic
aciddiphenylamine-2-carboxylic acid

CFTR

嚢胞性線維症の原因遺伝子
Cl-を含む分泌液の生成

気管支、汗腺、膵臓

グリベンクラミド(glibenclamide)

VRAC(volume regulated anion
channel)

VSOR(volume expansion-
sensing outward rectifying anoin
channel)

細胞の容積調節、
細胞の膨化で活性化

上皮細胞

5-nitro-2-(3-phenylpropyl-aminobenzoate)


3、侵害刺激受容体(イオンチャネル内蔵型、痛み受容)

種類特徴アゴニス阻害薬
P2X
(P2X3、P2X2/3)
イオンチャネル型ATP受容体
(ATP-gated cation channel)
2回膜貫通型

ATP、α,β-meATPスラミン(suramin)
ASIC (ASIC3/2b)プロトン感受性チャネル
(acid-sensing ion channel)
2回膜貫通型

圧、熱、酸(H+)、痛み  
TRPチャネル
(TRPV1-3)
TRP:transient receptor potential
カプサイシン受容体(vanilloid receptor)
Caイオンの透過性亢進
6回膜貫通型
カプサイシン(capsaicin)、capsiate、熱、酸(H+)、痛み、温度、アナンダミド(anandamide)カプサゼピン.(capsazepine)


4、トランスポーター(transporter)

分類

種類

特徴

阻害薬

イオン輸送系

Na+/K+-ATPase
(分子構造)

ATP依存性、Naポンプで、Na+を外へ、K+内へ輸送する。

強心薬
ジギタリス(digitalis)、ウアバイン(ouabain)

H+/K+-ATPase

ATP依存性、プロトンポンプで、胃壁細胞内の分泌小胞にあり、胃酸分泌に関係。H+を管腔内へ輸送する。

プロトンポンプ阻害薬
オメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(ransoprazole)

Na+/H+

ATP非依存性、心臓

 

Na+/K+

ATP非依存性

 

Na+/Ca++

ATP非依存性

 

腎臓におけるイオン輸送系
(分子構造)

Na+/K+/2Cl-

ヘンレ係蹄

フロセミド(furosemide)利尿薬

Na+/2Cl-

遠位尿細管

クロロチアジド(chlorothiazide)利尿薬

生理活性物質輸送系

アミン類(amines)

Na+, Cl-とamineの共輸送系である。
ドパミン(dopamine)
セロトニン(serotonin)
ノルエピネフリン(norepinephrine)

メタンフェタミン(methamphetamine)
アンフェタミン(amphetamine)
コカイン(cocaine)
イミプラミン(imipramine)
フルボキサミン(fluvoxamine)

小胞アミン類(vesicular amines)

V-ATPaseによるプロトンポンプにより、シナプス小胞へ伝達物質を取り込む。

レセルピン(reserpine)

生体構成成分輸送系

ブドウ糖(glucose)

glucose transporter: GLUT1~14
sodium glucose co-transporter: SGLT1~6
SGLT(分子構造)

SGLT2阻害薬(糖尿病治療薬):
イプラグリフロジン(ipragliflozin)
ダパグリフロジン(dapagliflozin) 
ルセオグリフロジン(luseogliflozin)
トホグリフロジン(tofogliflozin)

アミノ酸類(amino acids)

類似アミノ酸をグループとして輸送する。

グルタミン酸トランスポーター(分子構造)
(EAAT1-5, VGLUT1-3)

 

水(water)

aquaporin II が水輸送に関係

 

胆汁酸(bilic acid)

Na+依存性胆汁酸輸送

エロビキシバット(Elobixibat)慢性便秘治療薬

尿酸(uric acid)

URAT1: urate-anion exchanger

高尿酸血症・痛風治療薬
ベンズブロマロン(benzbromarone)
プロベネシド(probenecid)

薬物輸送系

ABC superfamily
1) P-protein (MDR)(分子構造)


2) MRP/cMOAT


抗癌物質により誘導され耐性機構に関係




canalicular multispecific organic
anion transporter

 

organic cations

 

 

organic anions

 

 

peptides

 

 

amino acids

 

 


関連サイトの紹介

1、脳科学辞典 カリウムチャネル Gタンパク質共役型受容体

(三木、久野)