α1受容体をphenylephrineなどのagonistで刺激すると、Gq蛋白質のαサブユニットに結合しているGDPがGTPに交換され、αサブユニットは解離し、phospholipase Cβ(PLCβ)に結合する。phospholipase Cβは活性化され、PIP2のphosphodiester結合を切断する。これにより、inositol 1,4,5-triphosphate(IP3)とdiacylglycerol(DAG)が生じる。IP3は、細胞内のCa貯蔵部位(小胞体、endoplasmic reticulum)のIP3受容体と結合し、小胞体内から急速にカルシウムを放出させる。細胞内で増加したCaイオンは、calmodulin(CaM)に結合し、続いてCaM kinaseを活性化し、種々の蛋白質をリン酸化する。一方、DAGはCaの存在下で、protein kinase C(PKC)を活性化し、やはり、種々な蛋白質をリン酸化する。このようにしてリン酸化された蛋白質は、様々な生理作用を発現する。その他、細胞内Calciumレベルを上昇させる系として、tyrosine kinase-PLCγ系やcalciumチャネルなどがある。(2003/03/28) |